○ １９５０年代の末から１９７０年代まで作られたパーカー６１。その後期型で通常版では最高級だった分厚い金張り（金張りの基準は金の重さが地金の１／２０以上の所をこれは１／１０の金が使われています）のインシグニアの中でも数少ない天冠とボトムエンドに煙水晶を嵌めたダブル・ジュエル（通常はキャップの地金と同じ真鍮を円錐形にしただけのもの）です。
○ 元々は、画期的な発明を採り入れるパーカーらしく、キャピラリー・フィラーと言われる毛細管を持った樹脂の棒がインクを吸い上げて貯めるそれまでのゴムサックや後のコンバーターの役割を果たすと言う画期的なインク供給システムを持っていましたが、インクを変える時に排出できないためほぼインクの色を変えられない、洗浄がほぼ能と言う欠陥を持っていてたため、エアロ・フィラーと呼ばれるゴムサックを使ったコンバーターが出来てからはそれに替えられました。この一本は後期型のため、使い易いエアロ・フィラーが付いています。
○ 首軸からはニブのポイントしか出ていませんが、意外にもニブ全体は大きく、丁度金の矢印型象嵌よりも奥までニブがあります。そのニブはフーデッドと呼ばれるペン芯をぐるりと包み込む円筒形をしています。そのため、いわゆるガチニブの元祖の様な硬さですが、するすると書け、また力を入れ過ぎてニブ先が曲がる心配も無いため、一度気に入るとこのフーデット以外はダメと言う人も多いそうです。
○ キャピラリー・フィラーが不評だったため当初は人気のなかった６１ですが、通常のコンバーターが使えるようになった後期からは、その優雅なフォルムと滑る様な書き味で人気となりました。特に金を潤沢に使ったこのインシグニアは優雅なフォルムと金の豪華さとがぴたりと合い、機能一本槍の筆記具にはない万年筆の優雅さから憧れの一本になった様です。特に上下に煙水晶をあしらったこのダブル・ジュエルは煙水晶が光によって黒から輝く白まで色合いを変え、ポケットに差した時にも華やかに彩ってくれます。
○ ニブに歪み傷は無く、綺麗な注意事項：全体的にはかなり美品の方だと思いますが、胴軸の上部に写真だとはっきり写らない小さな凹みがあります。古い品ですので、新品をお求めの方、神経質な方は絶対に入札をお控え下さい。ノークレーム、ノーリターンでお願いします。なお、ケースには傷があります。
【商品の説明】【万年筆】
ブランド、メーカー：６１インシグニア・ダブル・ジュエル、パーカーカラー・材質：ゴールド（真鍮に金張り）、煙水晶ニブ（ペン芯）：１４金フーデッド、字幅：ＸＦインク補充方式：コンバーター・カートリッジ両用式（純正オリジナルコンバータ付き）サイズ：長さ：１３６mm、最大径：１１mm、重さ：２４ｇ（公表値）